2013年 04月 11日
運河をはさんで左側にはアドリア海沿岸沿いに広がる工業地帯 右側には州立公園の「バイオーナの潟」があります 運河沿いには小さな漁師小屋が立ち並び といってもこれらの小屋は漁師さんが魚を釣るのに使うわけではなく 一般の人たちが一定の期間分の使用料を市に払い 小屋に設備されている網を使って魚を捕ったり (網を水の中に一定の時間沈めその後引き上げるというだけの単純な方法) 週末に友達を呼んで一緒に食事をしたりと 自分の楽しみのために使っている人がほとんどのようです 一度橋の上から写真を撮っているときに知り合ったじいちゃんは 自分の仲間と五人で使用料を市に払い みんなで漁師小屋を使っていると言ってました 週末になればみんなで集まって 捕れた魚を料理しておしゃべりに花を咲かせる 「親父が漁師でね 俺もここで生まれ育ってもう七十だよ えっ?この運河で何が捕れるのかって? 小魚がよく捕れるかなぁ」 「去年の夏まではずっと大漁でね 自分たちだけじゃ食べ切れなくて 道行く人にまで配ってたのに 秋からはさっぱりさ ほら今日だって朝からここにいるけどこんなのが十匹くらいだ まあ魚は捕れても捕れなくても ここで仲間と時間を過ごすのは楽しいよ」 「ちょっとだけどあんたよかったら魚持っていかないかい? 今水の中に入ってる網も引き上げて見てみるから おっ何匹かかかってるよ 全部持っていきなよ 今ビニール袋に入れてあげるよ」 この後魚のフリットの作り方まで教えてくれて 橋の上よりここからのほうが夕焼けがよく見えるから 次回はよかったら自分の漁師小屋から写真を撮ってみろ 自分の車が停めてあるときはいつでも小屋のドアをノックしてくれていいからと なんとも陽気でおしゃべり好きなイタリア人の典型みたいなじいちゃんでした 一方運河の右側に広がる「バイオーナの潟」で日中を過ごした鳥たちは 日が暮れはじめるとこの運河を越え 工業地帯の上の空を飛んで自分たちのねぐらに戻ります 毎日毎日工場の煙突から出る煙にまみれながら 運河を渡っていく鳥たちを下からじっと見ていると なんだか気の毒な気持ちになります 途切れることなく続く鳥たちの列 こんなにたくさんの鳥がいるんだとあらためて実感する このあたりを散策していると色々と気になるものが目に留まります 水が引いて草むらに打ち上げられたたくさんのゴミはもちろんのこと 例えば工業地帯と運河の間には一本の道路が通っていますが その道路の下を直径が一メートル位のコンクリート製の管が通っていて 運河の土手からほんの少し離れたところに穴を開けています いくつかの管の周りには「ネズミを殺すための毒団子を仕掛けてあるので要注意」 と書かれた小さな立て札があったりします じいちゃんからもらった魚を見ながら頭に浮かんだことそれは 「こういった場所で捕れた魚を食べても平気なのか?」 少量なら大丈夫? たまに食べるくらいなら問題ない? そんなこと気にしてたら今の世の中何にも食べられない? どうなんでしょうね... 人でも動物でも長い目で見たときに健康に何らかの問題を生じるのかどうか 答えはYesかもしれないし Noかもしれない たけどどう贔屓目に見ても良い影響だけはなさそうだと私には思えるのですが たぶんじいちゃんのように長年ここで暮らしている人にとっては ここで釣った魚を食べるなんてことは当たり前のことで 何も心配することなんてないんでしょう 私がもし「ここで捕れた魚は食べられるのか?」と工場を指差しながら聞いたとしたら きっと私の夫と同じように「工場から排出される水はきちんと下水処理されているから 大丈夫さ 有害なものなんて何にもないよ」と笑いながら答えるでしょう なるほどね... そういうものなんでしょうか... 小さな田舎の漁師町で生まれ育った私にとっては この環境で魚釣りというのはとても違和感のあることなのですが 最後にじいちゃんからもらった魚はフリットにして夫と一緒においしく頂きました 今まで作った魚のフリットの中で一番おいしかったなんてなんとも皮肉なことです #
by ravenna00
| 2013-04-11 23:38
2013年 03月 28日
レアのご飯は朝夕の二食です 朝は散歩のあと足を洗ってから 夕飯は私たちが食べ終わってから 私たちが食べてる間はテーブルの下で待機です 子犬の頃からの習慣で 一連の流れはもう熟知しているので 特に何もいわなくても散歩が終わって家に帰ってくると シャワーボックスの中に入って足を洗ってもらうのを待ってるし 夕飯のテーブルの準備が整うと何故かそれが分かるらしく 自主的にテーブルの下に潜って待機してます お腹がかなりすいてるときは 夕飯の準備もまだできていないのに 早々とテーブルの下に潜りこみ 「はやく飯つくれ」 「はやく飯食え」と 無言のプレッシャーをかけてきます(笑) で レアにとって唯一不可解なことはお昼ごはん テーブルの下で待っていても その後に自分のご飯がないことに どーも納得がいかない でもつい習慣でテーブルの下に潜ってみる もしかしたら今日こそは 後で自分もご飯が食べれるかもしれないと 淡い期待を胸に 舌なめずりしながら待ってみる(苦笑) テーブルクロスを敷き忘れてレアの顔が丸見え 舌なめずりしてるし... 「目は口ほどにものを言う」 はい ほんとうにその通りです あまりにも落ち着かないんでテーブルクロス敷いたんですが 今度はテーブルクロスを鼻先で持ち上げてフンフン匂いを嗅いでる テーブルクロスの下からちょこんと飛び出た鼻の穴が フンフンするたびに大きくなったり小さくなったり これじゃ全然落ち着いて食べれないし... しょうがないんで 「レアには後でパンとチーズをコングの中に入れて おやつをあげるからいい子で待っててね」と言うと 「会話」は理解できなくても 「単語」(←自分が興味がある単語だけ)は分かるんで 「パン」 「チーズ」 「コング」 「待ってて」 から何かを連想して納得したらしく ようやく鼻をテーブルクロスの下に引っ込めました なんだか近頃食べ物をせしめるための技に ますます磨きがかかったような気がするなぁ #
by ravenna00
| 2013-03-28 01:55
| いぬ
2013年 03月 24日
いつもと同じ場所いつもと同じ時間なのに 光によって景色はまったく違って見えるんですね 写真をはじめる前は こんなことあんまり意識して見てなかったなぁ 今朝は久しぶりに外は霧で真っ白でした 冬に撮ったこの日の写真みたいに #
by ravenna00
| 2013-03-24 17:45
2013年 03月 20日
なぜだか理由は分からないのですが 小さいときからレアは「てぶくろ」が大好きなのです 異常なほどに... レアを呼び戻すには 「Vieni!!」でも「食べ物」でも「おもちゃ」でもなく 「てぶくろ」をちらつかせるだけでいいんで というか「てぶくろ」を着けているとそばから離れないんで 呼び戻しの必要がありません ただ「てぶくろ くれ くれ」とうるさく付きまとってくるんで うざったいのが玉にキズですが 苦笑 あっ あと「木の棒」もいけます 「てぶくろ」と同じくらい吸引力があります 「てぶくろ ちょーーだい ちょーーだいよー」 「おまえ ワンワン吠えてうるさいんだよ だーまれ」 「ほらっ てぶくろ つーかまえた」 「てぶくろはおまえにはやらないよ はーなーせーよー」 「じゃ こうやって てぶくろでひっぱりっこしようよ!!」 「てぶくろは引っ張りっこするもんじゃないんだよ!! おまえ全然分かってないね... やめろよ!! てぶくろがのびちゃうだろー」 こうやって二人でじゃれあってる姿を見るのはいいもんです^^ #
by ravenna00
| 2013-03-20 18:47
| いぬ
2013年 03月 15日
撮影を始めてから四十分くらい経ったころ カメラのモニターの中で何か小さなものが動いていることに気づきました モニターから目を離して前を見ても 辺りはもうかなり暗くて何も見えません 再びモニターに映るものをよーく見てみると 何羽かの鳥がいっしょに水面をスイスイと移動しているところでした 水面を移動しながら時折水の中に潜って餌をとりまた浮かび上がってきます 固まって移動していた鳥たちが徐々にばらばらになりながら右の方に移動していきます 突然水面を羽で激しく打つような音が聞こえて 鳥たちがもと来た方向に向かって 猛烈なスピードで逃げていきます その逃げ足の速いこと はっと思って上を見上げると 上空を一羽の大きな鳥が円を描くように飛んでいました あの鳥たちは狙われていることに気がついたんですね 自然の中で生きるのは常に危険と隣り合わせ ほんの一瞬の隙が命取りになります 生き延びるためには油断大敵です 鳥たちが逃げ去った後に残った水の跡 あっという間の出来事でした 工場の煙突から吐き出される煙は 24時間365日決して止ることはありません 夜になれば工場の明かりが辺り一面を照らし バイオーナの潟には暗闇も訪れることはないのです ここの自然環境はとてもデリケートだと言われています そのデリケートな自然環境の中に工業地帯があるなんて なんだかとても矛盾しています 残念ながらこういった光景が見られるのはここだけではなく 今となっては世界中で見られる光景なんですよね 写真を撮り終えて車を止めた場所まで戻ろうと歩き始めると 水と泥に埋まっていた足がかじかんで感覚が無くなってました ちっともそれに気がつかなかった 寒さで足が凍りついたように固まってしまってうまく動かないので ロボットみたいに歩きながら ようやく車までたどり着き 今度はカメラの三脚を折りたたもうとしたら 手もかじかんでいて指が思うように動きません あー手が痛い いたーーーい 写真を撮っている間は寒さも何も感じないのですが 撮影を終えて緊張が解けたとたん一気に寒さを感じて 体がガタガタ震え始めます 人の集中力ってすごいなぁなんて 妙なことに感心しながら (ある写真家の方は動物の毛のアレルギーだそうで 動物が近くにいるとくしゃみや鼻水が止らなくなるそうです でもスタジオなどで動物の写真の撮影をしている間は ピタリとアレルギーの症状が止るんですって 撮影が終わるとまたくしゃみや鼻水がでてくるそうですが) やっとのことで機材を車に積み込み 暖房をガンガンにつけて 家路についた冬のある日の夕暮れでした それにしてもこの日はほんとに寒かった ブルルルル #
by ravenna00
| 2013-03-15 23:26
|
アバウト
カテゴリ
以前の記事
お気に入りブログ
最新のトラックバック
検索
タグ
その他のジャンル
最新の記事
外部リンク
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||